日本の食が多様化してきた事により、国内での小麦需要が高まる中で日本国内の小麦自給率はたった11%。その中で強力小麦はというとわずか3%しかありません。

近年世界的な異常気象による不作・新興国の旺盛な穀物需要により、穀物価格が上昇し、国産小麦に限らず外国産小麦の調達も安定的な確保が難しい中で、いずれ輸入小麦が日本に入らなくなってしまうのではないかという不安、何よりお客様に自信をもってオススメ出来るうどんを提供したい、だからどうにかして「自社で小麦を作りうどんにして提供したい」という思いが我々にはありました。


しかし高知県は年間降水量が日本でも有数の地域です。小麦は元々乾燥地帯の穀物であり、雨に当たると品質が落ち、小麦栽培にとって一番の天敵とも言われる赤カビ病という病気が発生しやすくなる事から雨量の多い地域では避けられてきた穀物でした。

“高知で小麦は作れないよ”そう言われながらも、2008年農業に参入し農業の“のの字”も分かっていない中でまずは野菜栽培に着手、一年目は思ったように成果が出ませんでした。


転機が起きたのが2009年。高知大学の石川教授が開発した“ふゆのめぐみ”という品種があると新聞で読み、高知大学に電話した事でした。これ以降高知大学農学部の協力を得て四万十町で小麦の農法を確立させていった結果、2012年遂に梅雨前である5月の小麦収穫に成功しました。

この“ふゆのめぐみ”という品種は他の小麦に比べてポリフェノール量が約2~3倍高く、仄かに香ばしい香りのする味のある中力粉と強力粉の間の特性を持った小麦です。2015年現在、中々農地の集約が上手く行かず数量を取る事は難しいですが、この“ふゆのめぐみ”を製粉し自社で栽培した他の小麦とブレンドして作った独自の小麦粉でパンや麺、菓子類の商品開発を進めています。また麺に関しては東京の「麺屋武蔵」から“これほどの麺は食べた事がない”との評価を頂き、コラボの話も頂いています。また東京の「シニフィアンシニフィエ」でも数量が確保出来次第、商品化の話を頂いています。弊社では高知で高品質の小麦を作る事を目標にこれからも一層の努力をしていくつもりです。

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